タイ料理の音はポクポク

namfon

2009年07月12日 14:26

 料理の構成要素としては音も大切です。「お母さんが朝ご飯を作るトントンという音で目覚めた。」なんてのはお袋の味エッセイの出だしにありそうですが、タイ料理だったらどんな音かと考えるとやっぱり「ポクポク」が浮かびます。トントンがまな板と包丁なら、ポクポクはすり鉢に似た形状の「クロック」とすりこぎみたいな「サーク」が奏でる音で、これなしにタイ料理は始まりません。家庭料理にタイ料理を取り入れたいと思われたらこちらを揃えておくと便利です。
 タイ料理の準備としては、ニンニクと唐辛子をこのクロックに入れて叩き潰すのが第一段階です。調味料を切るのではなくて叩き潰すわけです。ポクポクしたものをフライパンや鍋に移して本調理にかかるものも多いですが、クロックで全部間に合ってしまうものも結構あります。日本では「辛みそ」とか「ディップ」とか呼ばれているらしい、日本料理における味噌汁並みの日常食で、いろいろな食材を混ぜて野菜や魚につけて食べる「ナムプリック」はその代表。これこそ家庭の味の象徴だったのに、今ではスーパーマーケットにいくと多彩なナムプリックが並んでいますけど。それから青パパイヤのサラダの「ソムタム」もクロックオンリー料理。ソムタムの食材は多様化していて、以前にもご紹介しましたが、今の季節ならキュウリのソムタムがお勧めです。そういえば英語のつもりなのか何なのか、タイの外国人に向っては、ソムタムのことを「パパイヤ・ポクポク」とも呼んでました。

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