
更新が滞り気味なのにアクセスしてくださる方がいらっしゃるとはありがとうございます。実は写真を載せるのが億劫なのが停滞の一因でして、何かないかな、と探していたら2年前にタイに行った時のがありました。残念ながら観光ではなくて悲しい旅でした。知り合いのタイ人男性が仕事中の事故で突然亡くなってしまい、故郷のご両親にお骨の一部を届ける奥さまと会社の方々に同伴して、事情説明の通訳をするという役目でした。気の重たい役目でしたが、先方の家族も親族もいい方々で、また日本の会社の対応も誠実で、なんとか無事に果たすことができたのでした。この写真は、自宅で執り行われたお葬式に呼んだお坊さん方に差し上げる品々一式です。こちらのお宅では、近所の女性たちが集って竹かごにバナナの葉を巻いて品物を詰めていく手作りで珍しくて写真を撮りました。それまで私が見ていたのは、店頭でよく売られている黄色のプラスチックバケツに入ったセットでしたから。
この時の弔いの儀式は衝撃的でした。生前、彼が日本人の奥さまに「死んだら花火になって天に行くんだ」と言っていたそうですが、本当にそのままだったからです。法要などいくつかの儀式を経て、最後に骨を叩いて砕き、それを火薬と混ぜてお坊さんが導火線に点火。パンパンパンという爆音と共にお骨は煙になって空に散りました。「花火になる」なんて冗談としか思っていなかった奥さまもこのシーンを見て生前の言葉に納得のようでした。あれからもうじき2年です。タイの家族は日本語ができず、日本の奥さまもお子さんもタイ語はできない。たった1人の孫の声を聞きたくて電話しても話すことができないご両親。お元気でいらっしゃるといいのですが。