カボチャの季節にお勧めお菓子

 辛い料理の後はお菓子が食べたくなるというわけで、デザートだけの屋台もバンコクにはたくさんあります。このカボチャのプリンも定番。初めて見た時、一体どうやって作るんだろうと思い、食べて、なんて美味しいんだろうと感動しました。タイ語の名前は「サンカヤ・ファクトーン」です。ファクトーンがカボチャで、サンカヤがカスタードの意味。牛乳の代わりにココナツミルクを使ってタイ風カスタードにすると立派なタイ料理になります。
 作り方は意外に簡単です。カボチャの上の方を切って、蓋のようにします。下を容器にするために種をスプーンで取り出します。容器部分に水を入れて容量を計りカスタードの分量を決めます。その分量の半分のココナツミルク、同量の卵、好みの量の砂糖、それに塩をほんの少々、なめらかになるまで混ぜたらカボチャの容器に入れ、蒸し器で、大きさにもよりますが40分程度蒸すだけ。冷めたら、きれいなくし型になるように切り分けます。お子さんのおやつにも栄養満点で良さそうですし、大人のデザートにも美味しいです。見た目もきれい。カボチャの季節にお試しを。  


2009年10月03日 Posted by namfon at 17:16Comments(3)自分で作るタイ料理

ミョウガをタイ風で

 ミョウガは美味しいけど薬味にする程度、裏庭でたくさん採れるのを大量に食べる方法はないか、とお考えの方はいらっしゃいませんか。お勧め料理があります。名付けて「スープ・ミョウガ」。タイ東北地方の典型的な味付けを応用したもので、タイ料理がお好きな方でしたらかなりイケル味と思います。簡単ですからお試し下さい。
 まずミョウガをザッとゆでます。米を炒って細かく砕いておきます。これは「カーオ・クア」と言って、東北地方の料理で多用します。ゆでたミョウガをざっくり切ってクロック(なければすり鉢)に入れて、紫タマネギ(できればタイのだと香り豊か)、好みの量のレモン汁とナムプラーと唐辛子とカーオ・クアを入れて、すりこぎでつきながら混ぜて出来上がり。好みでパクチーを散らしてどうぞ。大人の味です。元になっている料理は「スープ・ノーマーイ(タケノコ)」という、タケノコ料理で、こちらはバーン・チェリーでご提供しています。  


2009年09月27日 Posted by namfon at 21:07Comments(0)自分で作るタイ料理

来年のイナゴの季節に

 写真写りが悪いですがイナゴです。シーズン中に掲載しようと思っていながら更新が滞っておりました。そして稲刈りもおしまいに近い。イナゴもいません、すいません。ただお好みでコオロギやバッタでも大丈夫です。熱湯に入れて殺したイナゴを油で揚げて、シーユ・ダム(シーユ=しょうゆ、ダム=黒い)という、ショウユを煮詰めて少し甘味をつけたようなコクのある調味料で味付けします。以前にナムプラーかと思ったのは間違いでした。シーユ・ダムはビーフン炒めに使いますし、チャーハンもこれで作るとまったり系でお子さま用にぴったりの味になります。
 和風のイナゴ料理は甘辛い煮つけがほとんどのようですが、大量に採れた場合のバリエーションとしてタイ風もいかがでしょうか。濃い味にすると失われがちなイナゴの風味が生き生きしていてオツです。オヤツにぽりぽり食べたり、もちろんおつまみにも。小さなお子さまの口に入れてあげる際は足をもいであげると、喉へのひっかかりが防げます。バンコクの屋台では、大きなフライパンで揚げながら売っています。屋台のイナゴは日本のものが赤ちゃんに感じるくらいに大きかったのですが、あれはバッタだったのかもしれないと今になると思います。今度行った時に確認してみます。  


2009年09月26日 Posted by namfon at 19:03Comments(2)食材の話題

アパートの脇のミニマーケット

 タイから国外追放されてラオスの首都ビエンチャンに住んでいる友人がいます。その彼の住むアパートの入り口に写真の美味しそうな八百屋さんがありました。ラオスの便利なところはタイ語が通じることで、これがベトナム、カンボジアよりも足が向いてしまう理由になっています。ただし相手から返ってくるのがラオス語だと、ごく簡単な事以外は分らないのは難点ではあります。ちなみにバーン・チェリーのスタッフは全員ラオス語ネイティブですから、ここで慣れるとラオスの旅に便利…かもしれません。
 こういう小さなお店がアパートの脇にあって、できればその場で野菜を炒めてくれるようになっていたらキッチンは要らないですね。朝はおかゆかパトンコー(ドーナツ)を店の隅で作ってくれて、夕方は好みの野菜を3つ、4つ選んだらオイスターソースでニンニクと唐辛子をきかせてチャチャと炒めてご飯にかけてくれる。ニガウリのスープがあったら完璧。雑談しながらその場で食べてもいいし、お皿ごと部屋に持ち帰りもOK。と、かゆいところに手の届く食生活だったバンコク時代を懐かしんでいたのですが、西側体制まっしぐらだったわけではないラオスでは、そこまでの商売気がありません。きれいなお姉さんが鼻歌でも口ずさみそうな風情で野菜の下ごしらえしながらの店番。次に行った時にコンビニのレジに立ってないとも限らないな、と思ってしまいましたが。  


2009年09月25日 Posted by namfon at 08:28Comments(0)タイの旅

手も足もヤキトリ

 ヤキトリに日本酒が恋しい季節に向って駆け足の日々。手招きするヤキトリの足は、タイでは人気のおやつで、ヤキトリというか揚げたトリの足売り行商をバンコクでもよく見かけました。でも、ヤキトリを注文してこんな風に足が出てきたのはこの間初めてでした。寝台列車、ビエンチャン、別の田舎町と1泊ずつで宿泊場所を変えてきて、荷物の持ち運びが面倒になったこともあって、ラオス国境の町ウボンラチャタニーで2泊申し込みました。タイ人団体客がロビーにたむろする中級ホテル。朝食券が付いてきたので1泊目はホテル内のレストランへ。ここの雰囲気がなんだかたまらず、2日目の朝は外に出て、東北地方の郷土料理を頼みました。そのひとつが足ごとのヤキトリで、タイ語だとガイ(鶏)・ヤーン(焼く)です。
 これは家でも簡単に作れて、つまみやおかずはもちろんですが、お弁当にもいいんじゃないかと思います。タイのしょうゆがなければ普通の日本のしょうゆに、ニンニクと胡椒とレモングラスを叩き潰したのを混ぜてタレを作り、そこに鶏肉を1時間くらい漬けてから焼くだけ。炭火だとなお良し。タイだと屋台で炭火焼きしながら売っています。東北地方を旅する時は、列車の窓からこのガイヤーンともち米を買って食べるのが楽しみ。バンコクではブロイラーがほとんどですが、田舎に行くと地鶏を食べられます。
   


2009年09月11日 Posted by namfon at 21:55Comments(4)自分で作るタイ料理

カーだぞ!

 これは「カー」です。タイに住んでいた時、ショウガが食べたくなってこれを買ったことがあります。帰宅したら家人に笑われました。ショウガの代用にはならないと言うのです。ここまで形状が似ているんだし、香りもいいし、ショウガの代わりにしてみせよう、と思って包丁を入れようとして大間違いに気付きました。固い。なんとか包丁は通せたとしても、歯での太刀打ちは無理だ。全身筋肉というよりも、筋だけ。簡単に食べられてたまるか、とでも言いたげな、異次元の生命力が宿っていると感じ入って以後、カーには一目置くようになりました。
 何に使うかというと、代表は「トムヤム」です。「トムカー」という、トムヤムと同じ風味のココナツミルクのスープにもたっぷりと入れます。その他いろいろ、タイ料理には欠かせない素材です。タイ料理の調理法は「切る」よりも「叩く」が基本になっていますが、それはこのカーのおかげじゃないかと思ったりします、ひとたたきで香りが立ち風味も豊かに。切るよりぶっそうじゃないし、信念ある平和的にも感じるカーの力の思い出ですが、しかし見れば見るほど近未来的、ロボット的にも思えます。  


2009年09月05日 Posted by namfon at 12:59Comments(2)食材の話題

唐辛子ソース2本だけあります


 タイに行った時に、ナムプラー工場とナムプリック工場を見学したいと友達に話したら、滞バンコク2日目に2つの工場見学を設定しておいてくれていました。ただし内容は勝手に変更されていて、米工場とソースの工場。知り合いがやっているから、という理由でした。米工場に寄った後で、ソース作りの現場へ。それがこの写真です。田舎町の教会の脇に住んでいるクリスチャンのおばあさんが1人で作っているもので、唐辛子とニンニク等を仕込んだばかりの甕を見て、出来上がった甕(写真)を見て、唐辛子を砕く石臼を見ておしまい。結局このおばあさんは、地元では人気のある自分のブランドソース作りの設備(といっても甕ですが)も一緒に引き受けてくれる人を探しているようでした。連れて行ってくれた友人もクリスチャンですから、教会で知り合って、協力したいとのこと。
 そっちの協力はできませんので、荷物の増えるのを覚悟で小さいビンの6本セットを購入しました。で、このソースをご希望の方に差し上げますので、もしもバーン・チェリーにいらっしゃって、こういうソースがお好きな方は、マスターに「ソース下さい」とお伝え下さい。ただし8月11日から。しかもたったの2本しか残っていませんのでお2人のみ。半端ですみません。味ですが、辛い中に甘みもあって結構濃厚、というか、しつこ目です。お好みによって春巻きや焼き鳥、焼肉のソースにいいかと思います。「メー・バー(バーお母さん)」というブランド。わざわざいらしていただいて終わっていたら申し訳ないですから、ついでの時に、ということでお願いします。2本しかないので…すみませんがご了承のほどお願いします。   


2009年08月10日 Posted by namfon at 11:31Comments(0)バーン・チェリー

パクチーの根の一口解説

 検索キーワードの中に「パクチーの根」というのが複数ありました。パクチーはすっかり有名になって、英語名のコリアンダーにしなくても通じるようになったのは喜ばしい限りです。が、どうせなら根の重要性も知っていただけるとパクチーにとっても本望だと思います。パクチーは、このバンコク郊外の市場で撮った写真のように根っこ付きで売られます。葉はじきにしなびてしまい、ムダになることも少なくありませんが、そんな時でも根っこは丈夫。ありがたく活用させていただきます。実のところ、タイ料理で必要なのは根っこの方で、葉はおまけみたいなもの、といってもいいかもしれません。
 根の使い道はスープストックに入れる、スープ類に入れる。パクチーの根が入ったままのトムヤムが運ばれることもあると思いますが、ダシのひとつなのでムリして食べることはありません。スープ以外では、「ヤム」というサラダ類に根っこを潰して使います。パクチーの根と唐辛子とニンニクをポクポクとクロックとサークでしっかり潰し、ナムプラーとレモンで好みの味に整えて、焼いた肉でもシーフードでも春雨でも、ミックスした具でも何でも、好きな具をタマネギやセロリやキュウリなどと一緒にこのドレッシングで和えます。今の季節なら焼きナスにこのドレッシングをかけても美味。油を使わないしダイエットにもよろしいと思います。ついでにタイ語で根のことは「ラーク」。パクチーの根は「ラーク パクチー」となります。
   


2009年08月05日 Posted by namfon at 09:55Comments(1)食材の話題

トムヤム用ハーブはセット販売

 タイ料理の大きな特徴といえば、新鮮なハーブをたっぷり使うことです。写真はタイ東北地方の小さな町の市場のハーブ売り場の一角。立ち寄ったのが夕方だったので残り物っぽい風情です。香りも形もショウガに似ていても、鎧を着せたような固さで繊維が残って食べ切るのはムリな「カー」と、強烈な香りと苦味で、臭い消しにも便利な「バイマクルート」と、これはもう日本でもお馴染みの「レモングラス(タイ語はタクライ)」をゴムで束ねてセットにしてあります。
 これが有名な「トムヤム」というスープに必要なハーブセットで、日本のタイの食材店でもだいたいこうしてセットにしてあります。香りが出やすいようにたたいたり切れ目を入れたこれらハーブをトリガラスープに入れて、好きな具を入れて、唐辛子とレモン(タイではライムですが…)を入れたらトムヤム完成。そういえば唐辛子とレモンはセットに入ってないのはなぜだろうと考えて、タイ人のキッチンから唐辛子とレモンとニンニクが切れるなんてあり得ないから、あえてセットにすることもないんだろうと思いました。最近はタイ料理のインスタント食品も充実して乾燥ハーブが添えられていたりもしますが、できればフレッシュなハーブを足すと本格的。タイの食材店ならトムヤムセットがないということはまずありません。  


2009年08月03日 Posted by namfon at 14:14Comments(0)食材の話題

10日の旅で3人の日本経験者に会う

 タイを旅していると「日本に行っていた」とか「日本に住んでいる」という人に結構会います。そういえば昔、バンコクに住んでいた時、ランチによく通っていた職場付近のインド料理の大衆食堂で「日本に行ってたんだ」というパキスタン人や中東の男性に話しかけられることがあって「日本に旅行に行くなんてお金持ちなんだな、そうも見えないけど…」などと不思議に思ったのですが、後になって考えると、当時が日本への出稼ぎのピークで、母国への帰り道にバンコクに寄っていたわけです。
 今回はタイのノンカイからラオスのビエンチャンに行く定期バスのターミナルで「一緒にタクシーに乗りましょう」とタイ人女性に声をかけられました。日本在住で、遊びに来たということ。ラオスから戻ってタイの田舎町でトクトクに乗っていたら、後ろから来たトクトクの運転手が「日本人かい、僕も日本にいたんだあああ」と大きな声で話しかけて来ました。次は別の田舎町からラオスのパクセーへの国際バスに乗って国境でパスポートチェックを受ける時。「日本人と結婚していたけど離婚して戻って、ラオスにビジネスチャンスがあるからと友達から聞いてタイマッサージ店を経営している」というタイ人女性。パクセーで食事に誘ったら「そんな無駄使いしない方がいいよ、ウチで食べて」とごちそうになったのが写真のランチです。ソムタムとタイの東北地方のソーセージと缶詰の魚ともち米。その彼女のお父さんが「タイ語のできる日本人だああ」と出入りのラオス人に片っ端から声かけていましたが、彼はラオス語ができないのでちょっとストレスためているようでした。  


2009年07月25日 Posted by namfon at 17:53Comments(0)タイの旅

唐辛子抜きにタイ料理は語れない

 注文を受けてから作るので、辛さの調整は自由です、とはいえ、やっぱり辛い料理は辛くしないと気の抜けた味になってしまって残念なので、辛いのが苦手な方はもともと辛くないのをお勧めしたいものです。タイ料理の辛さの素は何ですか、と、たまに聞かれることがありますが、それは唐辛子です。ストレートに唐辛子の味で勝負する点では、タイ料理が最たるものではないでしょうか。
 写真はバンコクの市場の様子です。唐辛子の種類も多々ありまして、用途に応じて使い分けます。例えば有名な「グリーンカレー」。こちらはグリーンの唐辛子を使います。グリーンほど有名ではないようですが、私はこっちの方が好きな「レッド・カレー」は赤い唐辛子を使うのでこの名前。激辛で知られる小さな唐辛子「プリック・キー・ヌウ」は、日本語にすると「ネズミの糞の唐辛子」です。キーが糞で、良くない意味の熟語用に大活躍です。キー・ニャオは「ケチ」、キー・ガオは「寂しがりや」、キー・マオは「酔っ払い」、キー・ゴーホックは「嘘つき」、その他いろいろありますね。  


2009年07月23日 Posted by namfon at 23:51Comments(2)食材の話題

料理の注文に使えるタイ語

 料理関係のタイ語を少しずつお伝えするのもこのブログの目的なのですが、強力なウイルスに感染して修理に出して以来、タイ語のフォントがきれいに行方不明。それですっかり意気消沈。買ってくるのもバカらしいのでカタカナでいくことにします。タイ語の名前そのままで知られている食材といえばパクチーが代表でしょうか。こちらは人によって好き嫌いが分かれるものの代表でもあるようで、私の知り合いには、バンコクで暮らした50年以上の期間、外食に際してはずーっと「パクチーを入れないで!」を言い続けた日本人女性がいます。タイ旅行の準備としてこのフレーズが絶対に必要という方は「マイ サイ パクチー」を覚えておくと大丈夫です。
 「マイ」は∧という声調なので、毎度のマイではなくて迷子のマイ。形容詞や動詞の前について否定する機能をもつ働き者です。となるとご想像の通り「サイ」は「入れる」です。マイサイをセットで覚えておくといろいろ便利です。甘味が苦手な私はタイではいつも「マイサイ砂糖、マイサイ味の素」と注文するので、時には「じゃあ、何を入れろっていうんだ」と文句を言われたりもしてましたが。あと、辛いのが嫌なら「マイ ペッ(≒辛い)」、「激辛にしてくれ」は「ペッ マーク(≒うんと)」です。そういえばチェリーのお客さんですと逆に「パクチーをたくさん入れて」とリクエストする方が多い。これは「サイ パクチー ユッ(≒たくさん)」です。通じるかな、お試し下さい。  


2009年07月20日 Posted by namfon at 18:56Comments(10)タイ語も楽しい

メコン川の魚を炭火焼きでラオビールと

 沈もうとする夕陽の色を映すメコン川に子どもたちが小さなボートを漕ぎ出す光景も、それを見ながら川辺のレストランで飲んだラオビールの味も忘れられず、でもいつの間にか10数年も過ぎてしまいました。日本に戻って友達にそのメコン川の様子を話すと「じゃ、見に行こう」ということになって、友人たちと珍しくグループ旅行をしました。バンコクでレンタカーを借りてラオスとの国境を目指して東北地方を移動。メコン川の国境を越える予定でいたのに、現地に着いたら「選挙だから国境は閉めている」と言われてしまいました。しょうがなくタイ側から出ているボートに乗って夕陽を仰いだのですが、ラオス側からの色にはかないませんでした。
 あれから10年以上。今回はラオスに入ることができました。でも乾季のせいか、メコンの水量はボートを出すには貧弱。その後、中国のダムのせいで下流のタイ・ラオスが影響を受けているというニュースを聞きました。あの頃の川辺のレストランも様変わり。東南アジアの国々におけるこれだけの期間のもつ意味は、先進国と同じであるはずがない。そりゃあ、分っているけど…。あの頃、雑貨屋の棚にあった瓶入りラオビールは容量が違っていたりだったけど今回は均一でした。でもメコンの魚は店頭の炭火で焼かれていて、大変美味でした。すでに、また行きたくなっています。  


2009年07月17日 Posted by namfon at 23:44Comments(0)タイの旅

パクブンが育っています

 目指すは自家栽培野菜とハーブをふんだんに使うレストランですが、今のところは料理するので手一杯のチェリーです。でも自家栽培並みに利用できる畑はありまして、写真はそのごく一部分、パクブン(空芯菜)の若芽。信州在住のタイ人女性ですと農家出身者が多く、その上日本人配偶者が田畑の持ち主が多い、というわけで、タイ米はムリにしてもタイの野菜やハーブの栽培者は多いのです。タイでは「チュアイ・カン(助け合い)」という言葉をよく使いますが、その精神で、栽培のタイ人と連携して、チェリーでも日によっては(すなわち収穫日)朝採り野菜やハーブを提供しています。
 空芯菜は日本でも普通に栽培されるようになっているようで、夏場は市場に出回りますね。タイ料理の代表は、唐辛子とニンニクをふんだんに使って炒める「パクブン・ファイデーン(炎の空芯菜)」。ごくごく簡単でビタミン豊富な料理ですから夏バテ防止用にも作ってみて下さい。タイではスープに入れたりと、日常的に利用する野菜です。葉っぱの長い写真のような種類は畑栽培に適していますが、私の好みは湿地帯に自生する葉っぱの小さな雑草タイプ。山菜のようなほのかな苦味があって、辛い料理と一緒の生食に適しています。この種類は日本で栽培されていないようなのが残念です。もっとも自分で作ってみるべきでしょうか。  


2009年07月13日 Posted by namfon at 23:25Comments(2)食材の話題

タイ料理の音はポクポク

 料理の構成要素としては音も大切です。「お母さんが朝ご飯を作るトントンという音で目覚めた。」なんてのはお袋の味エッセイの出だしにありそうですが、タイ料理だったらどんな音かと考えるとやっぱり「ポクポク」が浮かびます。トントンがまな板と包丁なら、ポクポクはすり鉢に似た形状の「クロック」とすりこぎみたいな「サーク」が奏でる音で、これなしにタイ料理は始まりません。家庭料理にタイ料理を取り入れたいと思われたらこちらを揃えておくと便利です。
 タイ料理の準備としては、ニンニクと唐辛子をこのクロックに入れて叩き潰すのが第一段階です。調味料を切るのではなくて叩き潰すわけです。ポクポクしたものをフライパンや鍋に移して本調理にかかるものも多いですが、クロックで全部間に合ってしまうものも結構あります。日本では「辛みそ」とか「ディップ」とか呼ばれているらしい、日本料理における味噌汁並みの日常食で、いろいろな食材を混ぜて野菜や魚につけて食べる「ナムプリック」はその代表。これこそ家庭の味の象徴だったのに、今ではスーパーマーケットにいくと多彩なナムプリックが並んでいますけど。それから青パパイヤのサラダの「ソムタム」もクロックオンリー料理。ソムタムの食材は多様化していて、以前にもご紹介しましたが、今の季節ならキュウリのソムタムがお勧めです。そういえば英語のつもりなのか何なのか、タイの外国人に向っては、ソムタムのことを「パパイヤ・ポクポク」とも呼んでました。  


2009年07月12日 Posted by namfon at 14:26Comments(2)自分で作るタイ料理

カラフルな米が日本でも流行るか?

 車の中でラジオを聴いていたら「野菜の色を着色料にする」という内容の話題が登場しました。それで、この間バンコクの高級デパ地下で見た光景を思い出しました。滞在最終日、空港に向かう直前に自家用や土産物を買うために行ったところが、品揃えのあまりの多彩ぶり、商品開発の面白さに「次回は半日はここで物色しよう」と決めたのですが、特に目立っていたのが米売り場でした。透明な筒にオレンジや紫やグリーンのカラフルな米を入れて並べるディスプレイが目を引きます。残念ながら撮影は禁止。この毒々しい着色料はいかにもタイだなあ、と思ってよく見ると、野菜の色を使っているとの説明があります。
 なるほど!どうして日本にはないのだろう、あるいはもうあるのかな、と思って、試しにひとつ購入してきたのが写真のオレンジ色の米で、着色はニンジンで。ちゃんと小さな袋入りが用意してあるのは、さすがに観光客も多いデパートの工夫。何種類も欲しかったのですが、荷物の量も限界を超えていたため、ニンジンのみにしました。ちなみにラジオではその後、野菜で米に色をつけるという話をしていました。どっちが先なのか。友人が炊いてみたところ「色は落ちゃった」ということです。バーン・チェリーで試してみますか…。  


2009年07月02日 Posted by namfon at 22:44Comments(0)食材の話題

タガメ料理のリクエスト

 バーン・チェリー開店当初から頻繁に訪れて下さるお客さまもいらっしゃいまして、そういう方々からは「何か変わったもの食べたい」というリクエストをいただくことがあります。つい最近もグループでの予約を下さった方から「一行の中に虫好きがいるからぜひメンダーを探して!」という依頼がありました。信州は日本の中では虫食で有名ですが、タイ東北部も世界的にも有数な虫食地帯。いろいろな虫が食されますが、あんまり虫ばかり並べると抵抗を感じる方があるかもしれませんので、今回は遠慮してメンダーのみに抑えておきます。
 メンダーとはタガメのことです。これを発酵調味料や唐辛子その他の香草と一緒に潰して作るディップソースは都市の人にも人気があって普通に市販されていますし、値段も高目。東北の人ですと、焼いてそのまま食べるのが好きな人ももちろんいます。香水のような強い人工的な香りがして自然の驚異を感じます。で、このメンダーですが、俗語で「ヒモ」のことでもあります。メスがオスを背中に乗せたまま餌をあさるなどの活動をするのに由来するとか。「メンダー」は日本人の発音でもまず通じますから、覚えておくと便利なタイ語…なんてことは、ないか。なお、そのお客さんのために食材屋さんからメンダーを仕入れたことは言うまでもありません。  


2009年06月25日 Posted by namfon at 17:38Comments(13)食材の話題

辛い料理には生野菜が付き物

 タイ、ラオス、ベトナムなどに共通の特徴といえば、料理に生野菜がたくさん添えられることではないでしょうか。写真はラオスの食文化圏に入るタイ東北地方のレストランのテーブル。プラスチックのカゴに入った野菜・ハーブはサービスです。注文した料理はミックス野菜炒めと魚のラープ。さすがに野菜炒めに生野菜のサービスはありませんが、ラープなど辛目の料理にはこういう山盛りの野菜が付き物です。種類は草のようなものから木の葉からキャベツのような栽培野菜からバジルなどのハーブまでいろいろ。日本人だったらアク抜きしたくなるようなアクっぽいのも生で食べますし、モヤシも生でバリバリ。キャベツだって千切りなどにはせず、ダイナミックに八つ切りくらいでドンと出てきます。
 ここにあるのは、清涼感漂う香り豊かで私の大好きなパクチー・ラーオ(ラオスパクチー)とキュウリ以外は初対面。調べてみないといけませんね。野菜もハーブもアクも好きなので最初から抵抗はありませんでしたが、ちょっとびっくりしたのはバナナの花です。パッタイの付け合せに欠かせないものですが、栗の渋だけで花にしたような強烈な渋さ。最初はびっくりしました。アクとガンの関係も取りざたされたこともあったな、などと。きっと苦手な方には辛い食生活だと思いますが、アク抜きするのがもったいないと感じたことがあったり、アクの強い山菜や野草が好きという方ならタイ料理好きの素質は充分だと思います。  


2009年06月22日 Posted by namfon at 21:19Comments(6)タイ料理の話

東北地方独特の腸詰豚ソーセージ

 少々暗めの写真は、タイ東北地方のソーセージ「サイクローク・イサーン」です。東北地方は「貧困」の代名詞みたいな地域で、人口規模も大きいので、出稼ぎ労働者としてバンコクやプーケットなどに出て行く人が多く、その時に郷土料理も一緒に各地に浸透してきたという面はあると思います。タイでも地域振興策を進め、少子化が進み、高等教育機関も増えているので、労働者の送り出し元としての地域性は失われるとしても、東北料理を愛する者としては、料理の魅力が失われることはないと確信及び期待をしています。
 バンコクの屋台で、豪快な煙を上げて炭火で焼きながら売っているのをビニール袋に入れてもらって、歩きながら唐辛子とニンニクとキャベツの葉っぱをかじりながら、このソーセージを食した思い出に浸りながら、東北地方を巡る旅の途中の川辺のしゃれたレストランで注文してみました。メニューには書いてなかったんですが「食べたい」と言ったら出してくれたもの。こういう融通はタイでは常識。チェリーでも材料がある限りはタイの常識で営業しています。このソーセージの特徴はモチ米を入れて発酵させていることで、だから酸味があるのです。白い粒々を最初は豚の脂身だと思っていました。米を入れていると知った時は、貧しいから米で増量しているのかと思いました。ニンニクが入っている上に、ニンニクやらショウガを付け合せるのもいかにもタイ。ビールのつまみに最高です。チェリーではメニューには入れていませんが、時々あります。北部には東北とは違った種類の「サイ・ウア」というのがあって、これもまた最高なんですよね。  


2009年06月21日 Posted by namfon at 12:01Comments(0)タイ料理の話

パッタイって何か分らなくなりました

 直訳すると「タイ炒め」の「パッタイ」を好きな方は多く、たまには他をどうですか、と言いたくなるくらいに、こればかり注文する方もいます。そういうひとりに、タイのおみやげの即席パッタイを渡したら「美味しかった」というメッセージと一緒に写真が送られてきました。なかなか美味しそうにできていて、味見できなかったのが残念。各種インスタントタイ料理がいろいろなメーカーから発売されていて、一昔前では考えられないタイ料理の普及ぶりと利便性には目をみはるばかりです。
 ネットで作り方を検索したらたいていのタイ料理は作れてしまう世の中でもありまして、そのせいで湧き上がっている疑問がこのパッタイについてです。作り手によって作り方にバリエーションがあるのは当然とはいえ、それにしてもパッタイと呼ぶのはタマリンドの絞り汁を入れるもの、との思い込みが覆されつつあるのです。タマリンドのおかげで甘みとほのかな酸味の風味が出るわけで、もちろんチェリーではオリジナルソースを作って正統派(?)パッタイをお出ししています。でもタマリンドなしの炒め麺の作り方が「パッタイ」としてブログなどで紹介されていますし、お店によっても同様。何をもってパッタイと呼ぶか、思い込みを検証してみようと思います。いずれにしろ食べ比べてお好みを選べるようになったのは楽しいことです。  


2009年06月20日 Posted by namfon at 17:12Comments(0)タイ料理の話